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方野 量太; 山本 章夫*; 遠藤 知弘*
Nuclear Science and Engineering, 196(10), p.1194 - 1208, 2022/10
被引用回数:1 パーセンタイル:29.26(Nuclear Science & Technology)本研究では、炉心核特性の核反応断面積に対する感度係数を効率的に行うROM-Lasso法を提案した。本手法は、求めたい感度係数ベクトルを、Reduced Order Modeling (ROM)の考えた方に基づき、Active Subspace (AS)と呼ばれる部分空間基底で展開する。その後、各展開係数をランダムサンプリングにより得られる多数の微視的多群断面積摂動セットと炉心核特性を用いたLasso線形回帰によって求める。本手法はForward計算のみ実施するためAdjoint法の適用が困難な場合でも適用が可能である。さらに、ASは感度係数ベクトルをより少ない次元数で再現する実効的な部分空間であり、元の次元数(入力パラメータ数)より大幅に未知数を削減することから、ASを用いないLasso推定と比較し劇的に計算コストを改善する。本論文では検証計算としてADS燃焼計算における感度係数評価を行い、ASを求める具体的な処方を示し、提案手法の適用性を示した。
方野 量太; 山本 章夫*; 遠藤 知弘*
Proceedings of International Conference on Physics of Reactors 2022 (PHYSOR 2022) (Internet), p.2032 - 2041, 2022/05
ADS炉心核特性の反応断面積に対する感度係数評価を、炉心解析システムに大幅な変更を加えることなく効率よく行うために、ROM-Lasso法を提案した。ROM-Lasso法では、まず感度係数ベクトルはAcitve Subspace (AS)と呼ばれる部分空間基底に展開され、実効的な未知数を大幅に削減する。続いて、ランダムサンプリングを実行して得られる炉心核特性と展開係数との罰則化線形回帰分析を通じて展開係数を決定し、感度係数ベクトルを推定する。ROM-Lasso法ではASを用いることで必要な炉心計算回数を大幅に低減することができる。本発表では燃焼末期の冷却材ボイド反応度の感度係数評価を例に、サンプル数やASの取り方で推定精度がどのように変化するかを示す。
岩元 大樹; 明午 伸一郎
Journal of Nuclear Science and Technology, 57(3), p.276 - 290, 2020/03
被引用回数:2 パーセンタイル:23.63(Nuclear Science & Technology)鉛の核破砕粒子多重度の不確かさ評価を実施した。4種類の核破砕粒子多重度のうち、陽子入射中性子多重度の不確かさは、陽子入射中性子生成二重微分断面積と粒子重イオン粒子輸送コードシステム(PHITS)のモデル計算を用いて評価した。その他の中性子入射中性子多重度,陽子入射陽子多重度および中性子入射陽子多重度の不確かさは、陽子入射中性子多重度の不確かさとPHITSによる計算から推定した。評価した核破砕粒子多重度を用いて、過去に測定された500MeV陽子入射による厚い鉛標的からの中性子エネルギースペクトルの不確かさを、ランダムサンプリング法を用いて評価するとともに、中性子エネルギースペクトルへの不確かさ伝播を調査した。その結果、測定エネルギー領域以下で比較的大きな不確かさが見られた。核破砕中性子エネルギースペクトルの信頼性評価のためには、100MeV以下の入射エネルギー領域における入射エネルギーと測定角度に対して系統的な二重微分断面積測定が必要であるとともに、1.4MeV以下の低いエネルギー領域における中性子エネルギースペクトルの高精度測定が重要であることを明らかにした。
方野 量太; 遠藤 知弘*; 山本 章夫*; 辻本 和文
Journal of Nuclear Science and Technology, 55(10), p.1099 - 1109, 2018/10
被引用回数:3 パーセンタイル:29.78(Nuclear Science & Technology)本研究では、炉心核特性の感度係数表に対して、罰則化線形回帰手法adaptive smooth-lassoを考案した。提案手法は、ランダムサンプリングにより得られる多数の微視的多群断面積摂動セットと炉心核特性を用いた線形回帰によって感度係数を評価する。提案手法は、Forward計算のみ実施するため、Adjoint計算の実施が困難な複雑な炉心計算に対しても適用可能である。本研究では微視的多群断面積に対する炉心核特性の感度係数の特徴を考慮した罰則項を提案し、数値計算を通じて提案手法が先行研究の手法と比較してより少ない計算コストで高精度に感度係数を評価できることを示した。